キーポーズの主成分分析に基づく多指ハンドの姿勢生成

多指ハンドはヒューマノイドロボットやマスタースレーブシステムのエンドエフェクタとして期待が高まっている一方,用途に合わせたハンドがあるが故に専用の制御システムが必要となり,複数のハンドを使い分けるには非効率と言えます.

本研究では,多指ハンドの構造に関わらず統一的な姿勢生成システムを構築することを目的とします.提案する姿勢生成手法ではマスタースレーブシステムによる複数の多指ハンド操作を想定し,主成分分析を用いることでマスター側の姿勢をスレーブ側の姿勢に適応するシステムを構築しています.また,マスター側としてCyberGloveを入力装置として使用しています.研究結果として,3指・5指・8指ハンドのシミュレーションを行い,多指ハンドの姿勢生成に対する本手法の有効性と姿勢生成精度の向上を確認しました.

Fig.1: 本研究の概要

多指ハンド姿勢生成システム

2,3章をまとめて書く 姿勢生成システムでは主成分分析を用いています.主成分分析は多変量解析の一つで,与えられたデータに含まれる変数間の関係や特徴を把握する手法です.また,得られた主成分が元のデータの情報をどれだけ持っているかを示す指標として寄与率があります.この寄与率に着目し次元削減した主成分得点を用いれば,最小限の損失で元のデータに近いデータを復元出来ます.

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Fig.2: 姿勢生成のシステムフロー図

提案手法を適用するためには,マスター側とスレーブ側の主成分を事前に求めておく必要があります.本研究では把持動作を想定した連続姿勢の変化の中から,特徴的な姿勢を抜き出したキーポーズを登録して姿勢生成を行います.把持の姿勢としてCutkoskyの把持分類を採用しました.

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Fig.3: Cutkoskyの把持分類

構造の異なるハンドを用いたシミュレーション

シミュレータはサイン次元動力学シミュレータライブラリである"Open Dynamics Engine"を用いました.システムの性能評価として,3指・5指・8指のハンドモデルを採用しました.

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Fig.4: シミュレーションで用いた多指ハンドモデル

先で述べたCutkoskyの把持分類を,CyberGloveと3指・5指・8指のハンドモデルで姿勢登録し,主成分分析を行いました.この時,主成分分析して得られるCyberGloveとハンドモデルの主成分得点に着目し,その得点の距離が近いものをピックアップすることで,姿勢生成の精度向上を図っています.

結果として,キーポーズの選定に主成分得点の距離の平均と標準偏差を用いた場合は,一部の姿勢生成精度が極端に良い姿勢と悪い姿勢が生じ,一方で距離の平均が最小になるキーポーズ数を用いた場合は姿勢精度が平均化される傾向になることがわかりました.

 

 

Last-modified: 2018-08-30 (木) 07:20:44 (108d)